相続のトラブル事例5

本当によくありがちな相続におけるトラブル事例をご紹介します。

「生前かなりの援助を受けていた事例」

1.事例

 A氏は、弟、妹の3人兄弟です。父親が亡くなり、慌ただしいまま葬式などを済まし、しばらくして落ち着い
 た頃、遺言書が見つかりました。遺言書によると「自宅は長男に、土地を次男に相続させる」という内容とな
 っていました。自宅、土地とも1000万円は超える評価額がありました。そしてその他には特に遺産といえ
 るものはありません。
 
 ところが、遺言書にはでてこなかった妹が「自分にも三分の一相続できる権利があるはず「」と主張してきま
 した。妹は生前、住宅資金として、父親から1000万円ほど援助を受けています。

 3人の兄弟で遺産を相続しました。A氏の父親はすでに亡くなっていて、遺産といっ
 ても預貯金などはほとんどなく、生前、母親が住んでいた自宅と土地があるだけです。

 A氏と、A氏の弟は、その分があるので、遺言書とおりの相続で良いと考えていますが、妹に分ける必要はあ
 るのでしょうか。

2.結論

 三人が贈与、相続した財産の法定相続分を三人で分割したと仮定した場合、妹はすでに十分「特別受益」をも
 らっているので、遺産をさらにもらうことはできません。

 特別受益とは、特定の相続人から受けた生前贈与などの特別な利益のことです。すでに財産を分けてもらって
 いた分が相続分として控除されます。「持戻し」といいます。

 A氏とA氏の弟は、遺言書とおりに分割して相続するのが妥当です。

3.対策として

 妹については、相続税では「持戻し」により、生前に贈与を受けた1000万円を、遺産に戻して相続したと
 計算し直しますので、十分もらっていることになり、これ以上分ける必要はありません。

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