アパートの経営

アパート経営

相続税セミナーなどで「アパート経営で節約を」というテーマ、よく見たり聞いたりしませんか。今回は相続税
対策における「アパート経営」について、できるだけわかりやすく説明します。

1.アパート経営で節約

 土地や建物を他人に貸すことで、相続財産の評価額を下げる節税効果を狙ったものです。では他人に貸してい
 る不動産は評価が下がるというのはどういうことなのでしょう。

 まず、相続財産である現金で土地の購入をしたとします。すると購入により土地が実勢の価格の8割程度の評
 価額になります。

 次にアパートを建設します。建物のほうが現金より評価が低くなります。だから建物を建てるのです。建物は
 固定資産税評価額がその価格となり、実際の価格の6~7割程度の評価です。

 さらにアパートを賃貸すれば、自宅と比べて評価額が下がります。他人に貸している建物は、自宅よりも3割
 ほど評価額が低くなります。土地についても、更地よりも賃貸することで、2割程度評価が下がります。

 アパート経営は、このような流れで評価額を下げることができるのです。

 つまり、現金で所有しているより、土地や建物にすることで評価額が下がり、評価額が下がると、相続税の計
 算上で課税される財産が減るので節税になるということです。

2.アパート経営の短所

 (1)以前は、賃貸経営の利益と、土地の値上がりによる利益の両方を狙えました。しかし、現在は人口減少
    が続き、賃貸経営は難しくなってきています。また、土地の価格は横ばいか下がる傾向にありますので
    注意が必要です。

    特に未経験者が急に賃貸経営に関わるのは難しいと思いますのでよく検討しなければなりません。

 (2)空室リスクというものがあります。アパートを借りる人がいなければお金は入ってこないので、借入金
    の返済ができません。また、予定していた家賃収入がなくても、建物の管理や修繕にはお金がかかりま
    す。支出ばかりがかさむこともあります。 

 (3)管理会社を入れると管理費用がかかりますが、自分でやると手間と時間がかかります。またノウハウが
    必要となります。

 (4)借りている人を追い出せないので、相続後に相続人が自由に使えません。さらに、古いアパートからマ
    ンションへの建て替えも自由にできません。

ざっとこういう感じで基本をおさえてみましょう。

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